完全食品・牛乳に潜んでいた2つの問題点

牛乳

食物や栄養から見た常識以外にも、現代の親たちがつい陥りやすい落し穴があります。たとえば、「朝食を摂ること、朝食をしっかり食べさせること」が、子どもたちにとっての一日の活力源となることは当然ですが、それはあくまで健康な子どもの場合です。いとは逆に、胃腸を壊してしまうこともあるのです。

朝からまったく食欲のない子どもに、無理に朝食を摂らせると、健康のためにという思さらに、「毎日牛乳を飲みましょう」という「常識」にも疑問があります。

ンパク源にもなる「超栄養食品」であるとされるのが牛乳です。

種々の栄養素、とくに、日本人に不足しがちなビタミンBやカルシウムを多く含み、そのため、牛乳好きな子どもならまだしも、嫌がる子どもにも半ば強制的にこの牛乳を飲ませているのが日本の現状ですが、ここにも問題があると考えています。

そもそも、動物の「乳」は、その動物の歯が生えるまでの完薬食品です。そのことに異論をはさむ余地はありませんが、乳児期を過ぎた子どもにとっても完全栄養食品となるかについては「?(疑問符)」が付きます。

また、牛乳には、銅、鉄、マンガン、ヨードなどのミネラルやビタミンCは不足しがちです。しかも、牛乳は、牛の仔を成長させるための食物であり、人間の子どもや、まして成人の栄養を補うためにあるものではないのです。人間にとっていちばん栄養になる乳は人の乳でしょうから、そんなに「乳」が体によいなら、大人でも、母乳を出している人の乳房から乳を吸うのがいちばん健康によい、ということになります。これはどう考えても、おかしな話でしょう。

日本人の牛乳の摂取量は、戦後の1945(昭和3)年から1955(同8)年にかけての量に比べると、現代は3倍近くにもなっています。それなのに、なぜ今の子どもたちに、骨折の増加やイライラ、短気などカルシウム不足の症状が目立つのでしょうか。

こうした疑問点に解答を与えてくれているのが、3ページの図です。「われわれ日本人も含めて、タイ人、フィリピン人、中国人などのアジア人は、牛乳の中の乳糖を消化するラクターゼという酵素が、ヨーロッパ人などの白人やアフリカ人の一部に比べて極端に少ないのです。このことは、牛乳を飲むとすぐ下痢をするという「乳糖不辺耐症」が日本人には多いことの原因でもあります。「仮に下痢をしなくても、牛乳を飲んだときに十分な消化ができないために、タンパク質の代謝物質であるアンモニア、スカトール、インドール、アミンなどの毒性物質を腸内に作り、肝臓を傷めつけるという心配も出てきます。

この図が表していることは、われわれ日本人は、まぎれもなく農耕民族の子孫であるという事実であり、牧畜民族の欧米人などの民族とは、食の形態や栄養摂取の方法を、まったくべつに考慮すべきであるということの示唆でもあるでしょう。

また、子どもが朝食を食べたがらない、牛乳を嫌がるといった反応をする場合にも、自分の体調の悪化を本能的に察知したことが本当の理由かもしれないわけです。「そして、牛乳について、なんといっても重要なのは、すでに食常識チェックのケース1でも触れたように、本質的にわたしたちの「体を冷やす」食べ物だということです。

こうしたことから、現代っ子の食での「健康」は、日本人としての体質や、人間が本来持つ「本能的な体の働き」、そして、心身両面にわたって重要な影響を与える「冷え」の問題などを加味して考えていく必要があることがおわかりいただけたと思います。