親にない病気が子供にかかる理由

小児喘息

くりかえしますが、こうした子どもたちの異常の背景には、現代の食生活における「栄養がある」、「健康によい」と信じられてきた、さまざまな一般常識についての認識の誤りがあります。

とくに子どもたちの「食育」をおもに担当しているお母さんたち(なかにはお父さんが担当する家庭もありますが)にこのことをお伝えしたいのです。

なぜなら、重症のアトピー性皮膚炎や喘息の小児患者を連れて診療所にやってくるお母さんたちの話を聞くと、こうした病気が「遺伝的な体質からきている」と信じこまれていることが多いからです。

そこで、そういうお母さんに、「ご両親や祖父母にアレルギー体質の人がいますか」と聞くと「いません」と答えるのです。それでは遺伝的な体質が原因じゃないではありませんか!」一世代、二世代前の子どもたちには、アトピー性皮膚炎や喘息はほとんどいなかったのです。

「栄養がある」「健康に良い」とだれもが信じて疑わない現代の食べ物が、こうした子どもたちの体質の脆弱化に関与しているというのは、いったいどういうことなのでしょう。

それは、第二次世界大戦後に日本に起こった、食生活を中心とした大きな変化こそ、子どもたちの病気・体質の劣弱化の真因である、ということなのです。

心まで「食」が影響を与えていた

近年、日本の子どもたちに蔓延している非行、暴力、いじめ、不登校などの「行動・精神面での不健康」についても、食生活との関連を考えてみる必要があります。なぜなら、精神を支える脳神経細胞も、体と同じく食べる物から栄養を摂り機能しているからです。

後に触れますが、行動や心に問題が生まれる子どもたち、犯罪を犯すにいたる少年たちの食生活は、ほとんど例外なく清涼飲料水やファーストフード、肉、白砂糖など、ビタミンやミネラル等の微量栄養素が不足した食物が中心となっています。微量栄養素のうちには、その不足が感情や気質を左右するものがあることが、実験によって確かめられている。

さらに、わたしたち日本人にとってもっと根源的な部分が、少なからず影響していると考えられるのです。つまり、本来歯の形からみても穀菜食をすべき農耕民族である日本人が、もともと牧畜民族である欧米人の肉、牛乳、バター、マヨネーズ、クリーム……などの欧米食を、何の抵抗もなく受け入れ、何の疑問もなく高栄養食品として崇拝するように食べつづけていることです。「このように「食い違い」は、体のみならず、心や脳神経細胞の機能にまで重大な影響与えるのですが、この「食い違い」に注目する時、とりわけ重要なのが、やはり低体温「冷え」の問題なのです。

後に第3章でまとめて示すように、今の子どもたちは、東洋医学でいう陰性の食物を食べ過ぎているため、心身ともに冷えきっているのです。

食や体質、性格などの医学的な陰陽論の考え方については、第3章で詳しく述べ、ここでは簡単に「陰」の性質について説明しておきましょう。

陰性の属性としては、「水(湿)」、「冷」などがありますが、それこそ「陰湿」といえます。

つまり、いじめは、アレルギーや小児成人病、骨折、視力の低下…などの身体的疾病と同列の、「冷え」と「水」から起こってくる「病態」でもあるというのが陰陽論の立場です。

不登校(登校拒否)という行為も、陰陽論からいうと、陰の行動形態です。この不登校は、たんなる精神面だけの問題でなく、身体的側面と精神的側面の両方が背景にあります。不登校児には、心理的・精神的病状としては、のうつ状態(自己否定、自殺志向)、の絶望感、の集中力・記憶力の低下、などが見られます。

また、身体的症状としては、極度の疲労感、の朝が弱く、早起きが苦手、の不定愁訴(頭痛、腹痛、筋肉・関節痛・下痢・便秘、動悸・息切れ、めまい・耳鳴り、手のひらの発汗、不眠、発熱、しゅうめい=まぶしさ)が多いことが、指摘されています。